映画ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り

ハチャメチャに面白かったです。字幕と吹替で2回見てしまったし、2回とも泣いたし、なんなら円盤も欲しいくらい好き。続きはネタバレ感想。

いわゆるTRPGについては、主にリプレイ作品を読む形で親しんでおりまして、昨今は動画でも様々なリプレイをちょいちょいと視聴しています。
D&Dについては「なんか有名なシステムでそういうものがあるらしい」くらいしか知識はありませんでした。……が、そんな知識のみでもこの映画は「映画として全く問題なく面白い」!
ファンタジー冒険映画として爽快で、元の世界観を知らなくても楽しめて「きっと元を知っていたらより楽しいんだろうな」と思えるところが最高に良い映画でした。
異世界の遠景描写が美しかった~。CGもあるのでしょうが。ロケもあるのかな。
主人公たるエドガンが、ダメなんだけど良い奴、なんですよね。周りもだいたいそう。そして、そんな彼らが「行く必要はあまりないけど、良いことをしに危険な場所に戻って、機転で見事にそれを成し遂げる」のが……良い。
更に、彼の発端となった悲劇が再演されるのだけれども、そこで取り戻すのは仲間である、というところが、ほろ苦く、良い。まあそうなるんだろうなあ、奥さん視点からいくと悲しい話だけれども……でもわかる……。となりました。一枚しかない蘇りの石板。悪事に手を染め、失敗し、誓いを捨て、しかしこの旅でもう一度誓ったこと。時間は経過していて、それまでに過ごした日々の積み重ねと今の胸の痛み、今そこで泣いている娘のことを考えると……そうなっちゃうよねえ、と。逆に、奥さんのことはずっと胸に抱え続けていくことにした、とも言えるのかも。これはだいぶ好意的な解釈ではありますが……。
D&D自体はあまり知らないけれど、それでも「サイモンの出目悪すぎでは?」とか想像できてしまうのもまた良い……。(同調に失敗しまくりなのはもちろん、橋の罠踏みもそうだし、ダミー映像を出しつつ潜入する時も足元を取られているし……)

ドリックは字幕と吹替でかなり印象が変わりました。字幕の方は端的にズバズバものをいう感じで、比較すると吹替の方には少しあどけなさ、朴訥とした感じがあるというか……どっちも良いし、なんなら吹替の方が好きかもです。

ホルガは、戦闘全般を担いつつ、色恋の要素が結構強くて良かったな~好みがわかりやすいというか……。そしてそれはそれとして仲間やキーラが大事、というところも良い。芋を投げた!

終戦で、キーラが結構危険な役割を果たしていて、でもそのこと自体が2年前に彼女が「大事に思われていつつも蚊帳の外に置かれてしまっていたこと」の埋め合わせになっていたんだな、とこれを書いていて気づきました。

本当に大団円だったんだな……。

途中助っ人に入ってくれるゼンクも良かった~。コメディ部分もシリアス部分も担当して、エドガンに信じること、誓わせることで筋を通させる役割を担って、でも全部が全部持っていくわけではない、という最高に格好良い助っ人で、本当に良かった。

パーティ各人がそれぞれに主人公的な部分があるところもTRPGらしさがあり、何なら敵のキャラ立ちもそれっぽくて良かったです。あと4人パーティなのも今時っぽいというか……。(昔のパーティって5・6人いたけど、今多分そんなに多人数の都合をつけるのが大変そう、的な)

もっと細かくは、モンスターの怖さ可愛さ、エンディングの作りの良さとかあったんですが、一先ず今回の感想はこれにておしまい。