シンウルトラマン

うう、また間を開けてしまった。今回は映画もあんま見に行っていませんが、最近シンウルトラマンを見てきたのです。

雑感として、面白かったし嫌いではないですが「好き」にはなれなかったかな~という感じです。

私の見る前の知識は初代のウルトラマンの曲(ひーかりのくーにからぼーくらのために)とか、特撮番組を後から特集した番組をかいつまんで見たようなあやふやなもので「ウルトラマンは地球人のハヤタさんを意図せず殺したか半殺しにしてしまって、一時合体して彼を癒すんだか彼のふりをして過ごすかしつつ、人間の仲間の目を盗んで変身し、怪獣と戦う。3分経つと帰っていく(風に見せかけて変身を解き、仲間と合流する)」くらいでした。

あとはウルトラマンにもとうちゃんとかあちゃんがいて、かあちゃんが一回死んでしまった主役(マンじゃなくてタロウかセブンだったかも?)を復活させてくれていた……ような……。
最近のウルトラマンは……銀色+青+赤だったような……という感じで、めちゃくちゃあやふやでした。

良かったところは神永とウルトラマンの関係、人を食った(比喩表現)メフィラスとその引き際の速さ、ゼットンの強さと描写、巨大化した……と禍威獣回り。
続きはネタバレ。なんだかやたらと長くなってしまいました。

モヤっているところから。
見終わった後につらつらと考えていたら、浅見含め、神永以外の禍特対に興味が持てていないんだなこれ!?という気づきがありました。(例外が滝のスタトレ趣味なんですが、その趣味を持っていながら全部ウルトラマンに任せて酒に逃げかけるのかお前ー!?という部分もあり……)(悔しがっているのもわかるんですけどね)

まず浅見さんが最初にぶちかました「自分だけコーヒー淹れるなんてモテない」言説がちょっと、ええ……って感じでした。普通にセクハラじゃろ。そうじゃなく……性別関係なしに「チームワークとして我々はある程度以上連帯すべき」だ、ってことを言って欲しかったかな~って。

浅見が「気が利かないな~コーヒー飲むなら仲間の分も淹れてよ!」と他の人に聞きながら必要な分淹れ、船縁がお礼を言って受け取るとか、恐縮する滝に「お二人はいいんですよ、禍威獣分析の選任だし、班長は早出。私たちはバディで遊撃隊なんだから、目端利かせていきましょ!」っていうとか……こう、役割分担、頼る頼られるの話を序盤から出してっててほしいというか……。

船縁と滝は各自の分析に夢中になってた&班長は自分の飲み物をもう飲んでるけどそれは出勤のタイミングが彼だけ早かった(勤勉)とかを出して、全員の役割をおさらいするような言動があればあるいは全員のこと好きになれた、せめて興味は持てた……?

巨大化浅見さんに対する周囲の愚かムーブもそんなに好きじゃなかったし(そうするだろうことはわかるし、画面的なスケール感はとても面白かった部分ですが)、……ケツたたきもそんな意味なかったように見えたし……。つまり、キャラ立ての面でわりとnot for meな部分がありました。

あとそうだ、その愚かムーブの結果である動画について。
消してくれるアフターサービスばっちり!なのは良かったけど、メフィラスが電子戦においておそらくザラブと同等以上のことができる(web上の任意の動画を痕跡残さず消す!)のは「人類これ無理ちゃうか」感に拍車をかけていたな~って。だから、滝の諦めもちょっと納得できてしまう。

これは、私が情報系の脅威に対して必要以上におびえているところがあるかもしれません。
削除が可能とはいえ、そんなに細かい小手先の「侵略」を外星人はしないのかもしれないし。

ただなあ……本作での人類、わりと素直にだまされまくりなんですよね。
ウルトラマン変身シーンすっぱ抜き特報!とかも……。やっぱ一回は正面から見たいから、その絵が見られたこと自体は良かったけど「いやこんなカメラ6台くらいで撮ってそうな特別映像おかしくね~?ザラブの捏造じゃね~?だってデータ思いのままなんでしょ?ってことは偽モノもいるんじゃね??」って人類というか禍特対側の誰かに疑ってほしかった、みたいな……。

地中の敵に対する米国ミサイル使い果たし案件も気になって気になって、出し惜しまないことそのものは良いけど金額怖!!っていうとことか……。復興やら被害やらのことを考えると、ちょっと胃が痛くなる感があり、起きていることとその処理の軽さとが、若干ミスマッチな気がしています。それが特撮よ。と言われれば……そうかな……そうなのかも……?

リアリティ云々の世界観については、どうしてもシンゴジラの表現が頭にちらついてしまいます。
シンウルトラマンは、シンウルトラマンであってシンゴジラではない。でも冒頭でロゴは出てくるし、作中のフォントもそれっぽいしで考えが引っ張られてしまいました。

そこが本筋でないというのは承知の上で、禍特対ではなく「宇宙特暴対」(外星人の存在判明で途中で改称する)とか、もうちょいファンタジーよりな名前の方が納得できたかもな……ザラブとメフィラス、やくざの手口だし……って思いました。

ゾーフィの方が没交渉でよりこわい感はありましたね、ザラブとメフィラスの「このちょろい雑魚ども、だませるうちにだましとくか、旨味もあるし」みたいな態度に対して問答無用でゼットンしかけるの、銀河系に対する扱いが「危険害獣の巣なので根絶やし」じゃないですか……そりゃメフィラスも速攻で手を引く。

神永とウルトラマン(リピア)は本当に良いというか、そこを全肯定するためにこの映画があったのではないか、とすら思います。とはいえ二人が語り合うところなんてないんですけど。えっ本当に!?

神永の行動にリピアが動き、一度敗れるもリピアの情報の提供に科学者たちが動き、リピアに託した策が功を奏して、そして最後、リピアの命を受け取った神永がどんな人間なのか……までは描かれないところも含め、好きです。
出ずっぱりのはずの神永、でも見ている私が一番知らないのも神永……。
暗転してのM八七も染みる。

細かいところで、ゾーフィが「目を開けろ」で、目のとこがぺかっ て光ったのは正直面白かったです。それが「目を開ける」なんだ……。

私が映画全体までは好きになれなかったのはさておいて、元からファンの方々にはおおむね好評のようなので、そこを大事にすることに成功しているのであれば、それで良いんじゃないかな~、とも思っているところです。
私がどストライク該当客、ではなかっただけであり、そうではないにせよ二時間楽しかったので、いいか!