忍びの国

なんとなく見に行ったらすごい良かったです。好き。

あの、あんまり期待とかしてなくて、なんなら前日ちょっと夜更かししていて眠くて、どうしよう、実写邦画にありがちな、長めの「間」とかあると寝ちゃうかもな~とか最初考えていたら、いや寝る暇なんぞ微塵もなかったわ!!て感じでした。続きからはネタバレ含む感想。

実写邦画の中でシンゴジラの次くらいに好きです。と言っても、そのくくりでいくと、このブログに感想を書いている42本のうち、該当するのは7本(シンゴジラ、彼らが本気で編むときは、船を編む、図書館戦争、相棒劇場版2、実写ヤマトとこれ)しかないんですが。図書館戦争は2作目が結構良いらしいけど、見なかったんだよな……。

「中世末期の人間」的な忍者たちの、刹那主義で文字通り「現金」な生きっぷり、腕は立つが倫理観はそいつらと似たり寄ったりな無門。忍者そのものの「売り」が天下統一によってなくなろうとしている、その時に忍者にできることとは……という感じ。

冒頭ですぐにわかる命の軽さと、それとは違った価値観を持つ平兵衛。この時代においては刹那主義の忍者たちの方がスタンダードで、平兵衛や矜持を持つ侍たちの方がきっと異端なんでしょう。

刹那主義側であったはずの無門が、生きがいと怒りを覚えるまでの物語、忍者が人間になるまでの話……だと私はとらえたのですが、その変化が実にすばらしかった。

あとアクション。全体的に楽しそうだったので好きです。合戦の、合間を縫うようにカメラが動く感じのシーンとか良かったな~。少年マンガ的というか、コミカルな部分(大弓がほとんど大砲的な威力!とか身代わりの術とか)も、シリアスな部分も良かった。川のシーンどちらも素敵。

お国の美しさも、無門の惚れっぷりに説得力を持たせる感じで良かった。どうやって着物とか維持していたんだろうwとは思いましたが。彼女には矜持はあったが力は無く、人間としての当たり前、を無門にある意味呪いのようにして与えたんだなあ……と感じます。最後のセリフも……ある意味呪い。

良いことばかり書きました。悪いところがあんまり思いつきません。主題歌買いたいけど、SMAP解散騒動で反吐が出るかと思ったのでジャニーズにはお金落としたくねえなあ、でもダウンロード販売してないぐぬぬ、くらいでしょうか。レンタルするかしら。